NOTA |
(*)(こうのし・たかみつ)(★)(1.古事記では死んで黄泉に行くイザナミが日本書紀では死なない−−両者を別の神話として読む画期的論考。 2.古代天皇神話〜〜「古事記」「日本書紀」において、神話は、天皇の物語の一部であった。それは天皇神話というべきなのである。「古代神話」とか、「日本神話」とかいうのは正しくない。まず、「古事記」でも「日本書紀」でも、人間のはじまりについて語ることがないということに、きっかけをもとめてはじめよう。世界としての成り立ちを語るのは、イザナキ・イザナミの国作りの話である。イザナキ・イザナミが男女として交わって、「大八島」の島々や、海・風・木・山・野等の神を生む。二神が生むというかたちで、国土とさまざまな自然的要素の出現を語るのであり、まさに世界の生成を語るものである。話の筋だてからいえば、「古事記」も「日本書紀」もほぼ同じだが、いずれにせよ、そのイザナキ・イザナミの話のなかで、人間のはじまりについて語ることはないのである。[本書より]) |