NOTA |
(★)(1945年、夏。特攻要員の宣言をされた僕が配属されたのは「伏龍隊」。機雷を持って海に潜り、敵上陸艇を爆破して自らも海の藻屑となる任務だ。来るべき「死」へ向かって訓練を重ねる日々。そんな中でも日常は続いてゆく。友情、上官への反目、海のきらめき、カレーの味・・・だが、ある日の訓練中、僕の前で友人が死んだ。そして、戦況は悪化の一途を辿り・・・。比類ないみずみずしさで描かれる、新時代の戦争文学。 ◆熊谷達也〜1958年宮城県生まれ。東京電機大学理工学部卒業。97年「ウエンカムイの爪」で小説すばる新人賞を受賞。2000年「漂泊の牙」で新田次郎文学賞、04年「邂逅の森」で山本周五郎賞、直木賞を受賞。他著作に「いつかX橋で」「稲穂の海」「翼に息吹を」などがあり、12年8月に「光降る丘」が刊行される。) |