NOTA |
(★)(芥川龍之介は、日本の近代文学に、あたらしい知性と心理と感情を、アラベスクのようにおりまぜて、数おおくの名作を書いた小説家です。少年時代から秀才のほまれが高く、そのうえ、たいへんな読書家でした。古今東西のすぐれた文学・哲学書をよみ、「人生は読書から学ぶことができる。」と信じていました。作品の題材をもっぱら書物にもとめているのも、そのためです。都会人の文学、書斎人の文学が、芥川文学の特色です。このことは、芥川文学の弱さでもあり、また魅力でもあります。 ▼仙人のおしえで、2度まで一夜にして都で一番の大金持ちになった杜子春。3度めに仙人にお願いしたことは---。名作「杜子春」をはじめ、「くもの糸」「魔術」「仙人」「たばこと悪魔」「白」「龍」「鼻」「三つの宝」、ほか11編を収録。人間の幸と不幸、善と悪、心のうつろいなどをえがいた芥川龍之介の短編集。) |