NOTA |
(★)(秋葉原事件やリーマン・ショックで揺れた2008年ーー。戦後政治と向き合った福田康夫、麻生太郎、渡辺喜美、甘利明の「総合調整」を巡る戦いを、綿密な取材で浮かび上がらせる。/ 日本の公務員制度は、戦前から継続する高い自律性、アメリカ占領下における人事院の誕生、国家公務員の労働基本権への制約などの諸条件が重層的に絡み合い、任免や懲罰、給与や待遇の決定を含めて、誰がどのような人事上の権限を持つのか分からない複雑な構造になっている。それは官の力を温存するだけではなく、結果的に官僚機構に対する政治側の責任さえもあいまいにする弊害も生んでいる。[序章より]/ ◆[Hanawa Kazunari] 1977年12月生まれ。法政大学大学院社会科学研究科修士課程修了。1999年から2000年まで、豪シドニー大学経済学部に留学。毎日新聞社政治部で首相官邸や自民党を担当。日本経済新聞社経済部で財務省、経済産業省、内閣府を担当し、現在大阪社会部。著書に「鉱毒に消えた谷中村(随想舎)」がある。) |