NOTA |
(★)(昭和初期、女中奉公にでた少女タキは赤い屋根のモダンな家と若く美しい奥様を心から慕う。だが平穏な日々にやがて密かに’恋愛事件’の気配が漂うだす一方、戦争の影もまた刻々と迫りきてーー。晩年のタキが記憶を綴ったノートが意外な形で現代へと継がれてゆく最終章が深い余韻を残す傑作。著者と船曳由美の対談を巻末収録。◆中島京子〜1964年東京都生まれ。出版社勤務、フリーライターを経て、2003年「FUTON」でデビュー。06年「イトウの恋」、07年「均ちゃんの失踪」、08年「冠・婚・葬・祭」がそれぞれ吉川英治文学新人賞候補に。10年「小さいおうち」で第143回直木賞を受賞。著書に「平成大家族」「女中譚」「エルニーニョ」「花桃実桃」「東京観光」「眺望絶佳」「のろのろ歩け」など。ほかエッセイ集に「ココ・マッカリーナの机」、訳書に「地図集(著・薫啓章、共訳・藤井省三)」がある。) |